2011年07月21日 12:40
名作で読む推理小説史という12名の作家による
アンソロジーを読んでいます。なかなかのボリュームがあるので
一区切り付いたところでメモ。
ネタバレ含みますので未読の方はご注意を。
徳川夢声 「オベタイ・ブルブル事件」
あまり面白くなかった。コンニャク嫌いで冷たい、ブルブルとか。
乾信一郎 「五万人と居士」
記憶力の良い居士の話。短いけど印象的。
宿題を与えた人の狙いはなんだったのか。
水谷準 「われは英雄」
オークションで知り合った画家と良家の娘の話。
なんとなく雰囲気が好き。謎解き部分も面白かったし、
登場人物同士の関係も良いです。
香住春吾 「蔵を開く」
故主の財産を売り払ってしまい今もそこに住んでいる老夫婦の元に
若旦那がその財産を引き取りに来るという話。
これもなかなかの傑作でした。最後だまし通せるかと
思いましたが鋭い奥さんでした。
馬鹿と阿呆の違いで判断する婆さん。
多岐川恭 「私は死んでいる」
目が覚めると老人が手を縛られて暗い場所に閉じ込められている
「蔵を開く」とは逆パターンのような話。
こちらにもできた少年が出てきて解決。
この話も好きです。