出口のない海 / 横山秀夫

2011年08月24日 13:47

これまで伊坂幸太郎や米澤穂信といった、楽しめる小説を
読んできましたが、今回読んだ横山秀夫の出口のない海は
読後に楽しいとか良かったとかそういう感想ではなく、ズシンと来ました。

「回天という特攻兵器があったことを後世に伝えたい」という
主人公の言葉が横山さんの伝えたいことでもあるのでしょうか。

 人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の
 終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った
 甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。
 命の重みとは、青春の哀しみとは―。

 

第2次世界大戦の特攻と聞けばほとんどの人が神風特攻隊を思い浮かべるでしょう。
自分も人間魚雷という言葉は聞いたことがありながらも、その実体や
回天等に触れたことが無かった気がします。

海の中、そして狭い艦内。「お国の為に」とは言うものの、
それぞれ個人個人には人に話すことのできないいろんな事情を
抱えながら潜り込んでいったのでしょうね。

終戦記念日から1週間程経ちましたが、この時期にこの本を読むことが
出来てよかったです。本では野球やマラソンにおける夢を戦争によって
断念せざるを得なかったというストーリーがありますが、今日における
日本での生活がいかに恵まれているかを実感しました。
(地震の影響による様々な問題はありますが)

ラストでメジャーリーグで活躍する55番という箇所がありますが、
野球に限らず、自分の趣味で言うと、バスケやプロレスといった
スポーツ・エンターテインメントを楽しむことが出来るという状況、
当時の人達には信じられなかったかもしれません。

戦争の善し悪しとは別に、家族や日本を守る為に
自らの命を捧げていった先人への感謝を忘れてはいけないと感じました。

回天は靖国神社内にある遊就館に展示されているそうです。
一度も行ったことが無いので機会があったら行ってみようかと思います。

出口のない海@横山秀夫 情報なんでも屋さん


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