さまよう刃 / 東野圭吾

2011年08月11日 16:15

東野圭吾のさまよう刃を読み終えました。

あらすじ
 長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、
 未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。
 謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように
 娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、
 警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。
 世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える―。

 

となかなか厳しい題材で、表現もかなり残酷です。
少年法を題材とした、通常社会でも起こりうる話の為、
話には入りやすいですが、レビューでは賛否両論ですね。

自分は小説に対して「作者の意図」というのをあまり重視していない
(そこまでなかなか読み取れない)ので、そこに対する批判はありませんが、
テーマがテーマなだけに単純に面白いとも言えないのは事実。

以下ネタバレを含む感想など。
この本を読んだほとんどの人は長峰贔屓で読み進めると思います。
その為、伴崎を成敗するシーンでは表現方法もかなり過激ですが、
ある程度納得できてしまいます。

その為、最後復讐を果たせないところではちょっとガッカリ。
もちろん長峰がカイジを殺した所で何も生まれないのは分かりますが、
せめて両者共倒れでも良かったかなと思います。
なのでペンションの女性にはガッカリ。余計な事を・・・
と思ってしまいました。

未成年だからそこまでの刑罰を受けずにまた社会に復帰してくる。
そしてその大半がまた同じ様な罪を犯す。

被害者の父親が犯人を殺すのを防ぐために警官が発砲し、
事の発端となった未成年犯罪者を守る。警官は本当に
市民を守っているのか。警官が守っているのは市民ではなく法律。

その少年法が遺族に取ってはなんの救いも持たないという事実を
この本の結末も物語っています。

レビューにも書かれていますが、白夜行や幻夜といった東野作品も
救いようのないラストという読後感が残りますので、
この作品に限った事ではありませんが、こういう本の評価は難しい。

爽快感を味わいたい方にはおすすめできませんが、
多少中だるみしながらも最後まで読ませる書き方はさすがかなと思います。

ビックリ箇所は密告者の正体くらいしかありませんが
細かい所を気にしなければはまると思います。
再読はない感じの部類ですが。
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コメント

  1. なぎ | URL | GCA3nAmE

    Re: さまよう刃 / 東野圭吾

    この作品、映画にもなりましたが、テーマが重いですね。
    最後は不愉快だなと思いましたが。
    実社会の不愉快さがそのまま出ちゃったような気がしてます。

  2. 31Iscream | URL | gZ7cPoAA

    > なぎさん

    テーマも重く表現も過激ですよね。読む人を選ぶと思います。
    長峰視点で書かれてる以上ほとんどの人は最後納得できないと感じるでしょうね。
    自分もその一人ですが、自分がこの立場だったら法に任せようという考えは
    浮かばないと思います。

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